Mr.バレルさん

#02 道を聞かれて 答えられたら

趣味ってワケじゃないけど

色んな街に引っ越した

色んな街や町に引っ越した

ニューヨークにだって住んだことがある

 

引っ越したらまず

行きつけの喫茶店を作るんだ

チェーン店じゃない昔からあるお店

それが良いと恩師に教わった

ニューヨークへ送り出してくれた高校教師

 

大抵、最初は気まずい

みんな " お前は誰だ? " と顔に出てる

もちろん客だ

" 部外者 " ではないよ

 

常連さんのお決まりの席に座ったっていい

一番客の称号を奪ったっていい

だって知らないんだもん

知ってても知らないけどね

 

その店に通ってその街の日常を感じていく

不思議だけど

風土って本当に風と土なんだよ

 

その街の風を吸い込み

その街の土を踏締める

 

そして歩きまくる

" お前は誰だ? "

" お前は誰だ? "

" お前は誰だ? "

それを通り抜ける

結局それはその人が決める事なんだ

 

何か月住んでも何年住んでも

" お前は誰だ? "は無くならない

でもある日、

道を聞かれる

 

道を聞かれて 答えられたら

 

その人と別れて前を見る

そこには《我が街》がある

 

孤独を感じる街

鬱陶しく感じる街

それでも我が街

 

ダーツだってそうさ

" お前は誰だ? " から始まって

孤独を感じたり鬱陶しく感じたりしながら

《ダーツの一部》になっているんだ

 

何かを始めたら

道を聞かれて 答えられる まで

続けてほしい

 

そしたら

ハッピーバースデー!!!

'81 SPORT DARTS